Keith Motsi

キース・モッツィ(Keith Motsi)

ヘッドバーテンダー兼料飲オペレーション
「バーはお酒を愉しむ「場所」ではなく、バーテンダー、お客様、その瞬間やその場所によって創られる、まるでステージの上で行われる「ショー」のようなものです。唯一無二のひととき、ショータイムの始まりです。」

 

フォーシーズンズにおける職歴

  • 2017年より、フォーシーズンズ ホテル北京、EQUIS、ヘッドバーテンダー

職歴

  • フォーシーズンズ ホテル ソウル(韓国)
  • フォーシーズンズ ホテル 北京(中国)
  • Soho House (ロンドン、イギリス)
  • Skippy’s Cocktail Bar (リーズ、イギリス)
  • Jake’s Bar & Grill (リーズ、イギリス)

受賞歴

  • 「Altos Bartenders’ Bartender Award 2022」 (Asia's 50 Best Barsのバーテンダーによって投票されるバーテンダー個人に与えられる賞)

出身地

  • ジンバブエ共和国、ハラレ

語学

  • 英語

フォーシーズンズホテル東京大手町の「Paris-meets-Tokyo」をコンセプトとしたバー「VIRTÙ」を仕切るのは、勤勉でカリスマ性のあるキース・モッツィ。ヘッドバーテンダーとして腕を振るうだけでなく、バーを訪れたゲストがいつまでも心に残るお時間を過ごしていただけるために、活気に満ちた夜を演出いたします。

キースはお客様が「最高の夜を過ごした」と感じて頂くために、些細な変化にも気を配ります。例えば何気なく聞こえるBGMの音量や、心地よさを左右する店内の温度、そして照明の強さなど、お客様が五感で感じる全ての事に目を見張り美しい夜の演出に妥協を許しません。「ゲストの皆さまには、自分の家にいるような心地よさを感じていただきたいのです。カクテルにご満足いただける事に加えて、上質なサービスや雰囲気を求めてご来店いただけるように努めています。例えば、グラス一杯の水であっても、最高の一杯に変えてご提供いたします」。

最高の夜を演出するため、キースは日本人が好む味の傾向やトレンドの研究を日々行っております。

VIRTÙではシグネチャーメニューに加えて、季節の食材を使う月替わりのカクテル、日本各地から人気のミクソロジストを招いて開催する「バーマスターシリーズ」、そしてフランスのヴィンテージスピリッツやジャパニーズウイスキーのセレクションなど、多様なメニューを取り揃えております。「海外のお客様はもちろん、日本人の皆様にも新しい発見が出来る場所でありたいと思っております」と、キースは説明します。

また、キースは、VIRTÙだけではなく、フォーシーズンズホテル東京大手町全体の料飲オペレーションも担当し、雰囲気やテーマが全く異なるお料理やその背景に合わせて楽しめるお飲み物のご提供を心がけております。

深いストーリー性やレイヤーが美しく重なる個性豊かなカクテルに合わせて、キースが最も重視しているのは「究極の楽しさ体験のご提供」です。「5つ星ラグジュアリーホテルと聞くと、洗練されたイメージと共に敷居の高さを感じる方がいらっしゃると思います。私は洗練されたイメージを保ちつつも、多くの方が気軽にご利用頂けるようにリラックスしたムードとスタイリッシュな雰囲気をご提供したいと思います。そして、この空間に身を置く事で感じる楽しさの究極体験を感じて頂き、少しずつお客様と距離を近づけていけるように努めます」。そして、次にキースが述べたのは「バーはお酒を愉しむ「場所」ではなく、バーテンダー、お客様、その瞬間やその場所によって創られる、まるでステージの上で行われる「ショー」のようなものです。唯一無二のひととき、ショータイムの始まりです」。

ジンバブエで生まれ、イングランドで育ったキースの家にはいつも誰かが訪れ、栄養たっぷりのお料理を囲んで、ゲストと楽しく過ごす幼少時代を過ごしました。そして、この温かな環境が現在のキースのキャリアに大きな影響を与えているのです。

社交的に育ったキースは、イギリスのリーズにあるバーJakes Bar & Grillでバーのキャリアをスタートしました。ここでキースはバー店内で繰り広げられる様々な人間模様に感銘を受けるのです。「初日から大好きな仕事だと感じました。同じ場所なのに、大勢が集まってお祝いする人、泣いたり、恋に落ちる人、ノスタルジックな気分に浸る人もいて、今まで見た事のない光景が広がり、なんと言い表せば分からないくらい圧倒的な雰囲気でした。そして一番感動したのは、大勢の中で次々と声をかけられながら対応をするバーテンダーでした。一瞬にしてお客様を笑顔に変えるバーテンダーはまるでロックスターのようでしたよ!」と、その時の感動を今でも鮮明に覚えているとキースは語ります。

その後、建築の勉強をするため移り住んだ大都市ロンドンで、キースは街中にある世界的なホテルやレストラン、バーを目の当たりにして驚きました。自分の育った街にはないラグジュアリーな空間と国際色豊かなホテルやレストラン、バーを見て「自分が本当に好きな仕事を活かせる場所を見つけた」と確信しました。

自分のキャリアを築きあげるために、キースは幼少時代に過ごしたリーズやロンドンでキャリアを築きます。ロンドンSoho House(会員制のバー)では、クリエイティビティ豊かなゲストの対応も学びました。その3年後の2017年、バミューダ諸島にいた頃に、フォーシーズンズホテル北京に新しくオープンするバー「EQUIS」のオープニングメンバーとして働くチャンスが巡ってきます。全ての事を良い方向に捉えるキースは、初めてのアジアでの大仕事を快く引き受け、北京にてアジアでのキャリアをスタートさせます。

EQUISでの仕事は想像以上に厳しく、広々とした店内のため細部まで気を配るには非常に多くの手間と時間をかけて運営を行っておりました。そしてこの努力が報われEQUISはオープニングから1年後には、Drink Magazine Asiaによる「Best Hotel Bar in China 2018」に選ばれます。

この功績によりキースの名は瞬く間に広がり、2019年にはフォーシーズンズホテルソウルのシグネチャーバー、Charles H.へと活躍の場を移します。キースがバーを任されている間にCharles H.も数々の賞を受賞し、キース自身もAsia’s 50 Best Barsのバーテンダーが選ぶ「Altos Bartenders’ Bartender Award 2022」を受賞いたしました。

世界中で様々な文化や人々に囲まれながらキャリアを築いてきたキースにとって、常に気をつけているのは「基本的な事ですが、人にはやさしく接して常に誠実で謙虚であること。受け取り側は想像以上にどのような態度でどう接したのかを覚えています。そのため、常に礼儀ある姿勢で接し、誠意を見せる事で信頼感を築き長い関係性を保つ努力を行うのです。良い行いをする事で、いずれよい結果に報いられると信じています」。

勤務地を東京に移したキースは、仕事以外も忙しい日々を過ごす予定です。趣味の一つは、ミシュランマラソンです「2022年、日本にはミシュランの星を獲得したレストランが203軒ありますから、それを一つずつ周っていきたいと思っています」と話します。また、ラグビーの経験もあるので、選手として地元のクラブに参加をしたり、ラグビー観戦も楽しみにしています。

また、バーテンダーとして、興味深い日本の文化のひとつにウィスキーがあります。そのため日本の希少な銘柄を見つけるためにウィスキー醸造所を巡りながら、イギリスにあるウィスキーコレクションに加えていくのを待ち望んでいます。家時間の充実さを大切にしているキースは、家でもお気に入りのお酒で寛ぎの時間を忘れません。特に何気ない日常を華やかにするシャンパンはとても大切な存在のようです。

「わたくしが持つ独特の個性とおもてなしの方法で、多くの皆様に何度も足を運んでいただきたいです」とキースは述べ、これからお迎えする多くのお客様にお会い出来る事を心より楽しみにしております。