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アレッサンドロ・ルカ・デ・レオ(Alessandro DeLeo)

PIGNETO スペシャリティ ピッツァ シェフ 
「ナポリでピッツァといえば、人生そのものです。ナポリ人が代々受け継いできたピッツァづくりは、何十世紀もの時を経て芸術の域にまで高められてきました。ナポリでピッツァづくりを始めるということは、最高のピッツァ職人を目指すということなのです」

 

フォーシーズンズにおける職歴

  • 2020年より、フォーシーズンズホテル東京大手町

職歴

  • ナポリ ピッツェリア(神奈川県横須賀市)
  • ヴィンカンティアーモ・ユニーク レストラン(イタリア、ヴェローナ)
  • ピッツェリア(英国、ロンドン)
  • ピッツェリア(ドイツ、ガルミッシュ=パルテンキルヒェン)
  • ピッツァ フリッジトリア(イタリア、ナポリ)

出身地

  • ナポリ(イタリア)

学歴

  • 料理学校卒業(イタリア、ヴェローナ)
  • ピッツァ職人技術習得(イタリア、ナポリ)
  • スクオーラ・ディ・ピッツァ・ヴェラーチェ・マトゥーラにてマスター・オブ・ピッツァを取得(イタリア、ナポリ)

語学

  • イタリア語、英語

ピッツァが生まれた街、イタリア・ナポリ出身のスペシャリティ ピッツァ シェフ、アレッサンドロ・ ルカ・デ・レオ(Alessandro DeLeo)。自身のルーツがもたらす伝統的なピッツァづくりの匠の技をPIGNETO(ピニェート)にて披露します。「ナポリでピッツァといえば、人生そのものです。ナポリ人が代々受け継いできたピッツァづくりは、何十世紀もの時を経て芸術の域にまで高められてきました。ナポリでピッツァづくりを始めるということは、最高のピッツァ職人を目指すということなのです」。

多くのイタリア人と同様に、美味しい食事とは、愛する人たちと過ごす時間において中心的な役割を担うとアレッサンドロ自身も考えています。イタリアのノンナ(祖母)やマンマ(母)が代々伝統としてきたように、アレッサンドロの母親も毎週日曜日になると家族のために絶品のトマトソースがかかったミートボールをつくったものでした。「1週間で日曜日がいちばん好きでした」。その気持ちをフォーシーズンズで再現したいというアレッサンドロの心のこもったピッツァは、人々に喜びを共有する場を提供します。それは、「アボンダンツァ(豊かな人生)」をコンセプトとするPIGNETOのエグゼクティブシェフ、マルコ・リーヴァが目指すヴィジョンと見事に一致しています。

では、完璧なピッツァをつくる秘訣とは? 「秘訣といっても、秘密めいたものはありません」。それは、最高の素材と高品質の調理器具を用いて、工程の最初から最後までメソッドに忠実であること。

しかしながら、ピッツァづくりにおける真の匠の技とは、「生地をこねること」にあるとアレッサンドロは言います。このこねる技をいかに習得するかが、卓越したピッツァ職人になれるかどうかを決めるのです。生地をこねることは持って生まれた才能が大きな鍵を握る、とアレッサンドロは、大好きなサッカーに例えて言います。「最高の監督と高価な用具が揃っていれば、誰でもある程度のサッカー選手になることはできるでしょう。しかし、誰もがロナウドやメッシになれるわけではありません」。

イタリアに古くから伝わる技をベースとしたアレッサンドロのピッツァづくりは、『ナポリピッツァ バージョン2.0』と呼ぶのが、最もふさわしいと言えるでしょう。ピッツァに通常使われる『ファリーナ00 (ゼロゼロ)』と呼ばれる『00番小麦粉』ではなく、『0 番小麦粉』という画期的な小麦粉を使用します。アジアで主に流通している様々な国の小麦をブレンドしている小麦粉と違い、『0番小麦粉』は、非常に純度が高く、イタリア産の小麦を100パーセント使用しています。この『0番小麦粉』は、昨年(2019年)ようやく日本で入手できるようになったのですが、日本へ輸入されるにあたっては、アレッサンドロが大きな役割を担っています。その他にも、日本の特産物以外はイタリアから直輸入されるなど、最大限に吟味されたものばかりです。PIGNETOでは、メインメニューにもフィーチャーされるイタリア直輸入のブッラータ(フレッシュチーズ)や、『デイリースペシャル』として提供されるナポリの定番メニュー、フリアリエッリ(日本の菜の花のような食材)など、ナポリの食卓を彷彿させる数々の料理をお楽しみいただけます。

レストランで働いていた母親やほかの家族の影響で、アレッサンドロの料理に対する関心は、幼い頃から培われました。幼少時の思い出のひとつに、ピッツァづくりの大会を見に行ったことをあげるアレッサンドロは、その時の会場の高揚した空気感を記憶しています。シェフという仕事に惹かれた要因のひとつは、このようなチャレンジに挑むという側面です。「突然レストランに大勢のお客さんが訪れて、次から次へと完璧なピッツァをつくらなくてはいけない状態に追い込まれる、あの感覚が大好きです」。

ティーンエージャーとなったアレッサンドロは、夜間にピッツェリアで働き始め、すぐにいわゆる『ナポリの才能』の持ち主であることに気づきます。ナポリの料理学校を卒業すると地元のピッツェリアで技を磨き、ドイツ、そして英国に渡ります。「イタリアを出た瞬間に、ピッツァにおけるカルチャーショックを受けることになりました。イタリアでは、ひとり1枚のピッツァを食べます。1枚のピッツァを3〜4名がシェアしているのを初めて見た時には、憤慨しましたよ!」とアレッサンドロは笑います。今ではもちろんこの光景を受け入れてはいますが、自分で食べるピッツァは、必ず独り占めです。

2014年、アレッサンドロは、イタリア・ヴェローナにある「ヴィンカンティアーモ」でピッツァ シェフに就任します。その後、キャリア形成に大きな影響を与えることになる神奈川県横須賀の「ナポリ ピッツェリア」にて、イタリア直伝のピッツァづくりを伝授することになります。

長年、武術を学んできたアレッサンドロは、すぐに日本に対し強い結びつきを感じ、また、日本の食には、改めて感心させられます。「それまでちゃんとした日本料理を食べたことがなかったので、来日した最初の1年は、なんでも試してみました。夏にはお寿司を、とくにマグロが大好きです。そして、冬に食べる熱々のラーメンに勝るものはないですね」。いちばんのお気に入りは、濃厚な豚骨醤油がベースの横浜家系ラーメンとのこと。フォーシーズンズにおける仕事に伴い東京に移ったアレッサンドロは、都内のさまざまな食処を探検するのを何よりの楽しみとしています。