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Four Seasons Hotel Tokyo at Marunouchi

  • 1-11-1 Pacific Century Place, Marunouchi, Chiyoda-ku, Tokyo, 100-6277, Japan
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スティーブン・ランキャスター(Stephen Lancaster)

総料理長
「これまで築かれてきた SÉZANNE(セザン) の精神を大切に受け継ぎながら、未来へ向けてさらなる進化を遂げていきたいと考えています。」

 

フォーシーズンズにおける職歴

  • 2026年より、フォーシーズンズホテル丸の内 東京

職歴

  •  ポイズ(シンガポール)
  •  サン・ピエール(シンガポール)
  • オアクセン クロッグ(スウェーデン、ストックホルム)
  • ディナー・バイ・ヘストン・ブルメンタール(オーストラリア、メルボルン)
  • ザ・ファット・ダック(オーストラリア、メルボルン)
  • ザ・ブリッジ・ルーム(オーストラリア、シドニー)
  •  ミッドサマー・ハウス(イギリス、ケンブリッジ)
  • ドレイクス・アット・ザ・クロック・ハウス(イギリス、リプリー)
  • ダートムーア・イン(イギリス、デヴォン)

学歴

  • イギリス・プリマス・カレッジ 調理専門ディプロマ

出身地

  • イギリス・デヴォン

語学

  • 英語


イングランド南西部デヴォン州に生まれ、豊かな自然に囲まれて育ったスティーブン・ランカスター。オーストラリア、スウェーデン、シンガポールと、世界有数のレストランを舞台に歩んできた彼のキャリアは、食材への深い敬意と、揺るぎない職人としての規律に支えられてきました。同業者や評論家から高い評価を得る彼の料理は、フランス料理の伝統を軸にしながらも、国際的な感性を織り交ぜ、発酵や熟成といった技法を通して、味わいに奥行きと輪郭を与えています。

幼少期を過ごしたイングランド南西部デヴォン州は、雄大な自然に美しい海岸線で知られると同時に、自然の恩恵をたっぷりと受けた鮮度の高い食材にあふれる美食の地でもあります。そのため「パブの一皿でさえ、心を込めて丁寧に作られていた」と語るように、素材が持つポテンシャルを最大限に引き出す調理法に日常的に触れてきました。この原体験こそが、のちに彼の料理哲学を形作る礎となっています。

13歳のとき、地元のカフェで皿洗いの仕事を始めたことが、彼の料理人としての第一歩でした。活気に満ちたキッチンの空気に魅了され、やがてその情熱は確かな志へと変わっていきます。10代後半には料理人の道を志し、修業と並行して地元で人気のパブで経験を重ねました。若い頃からミシュランの星を獲得するシェフを目標に掲げ、精密さ、一貫性、そして創造性が高いレベルで求められるファインダイニング、リプリーの「ドレイクス・アット・ザ・クロックハウス」やケンブリッジの「ミッドサマー・ハウス」といった星付きレストランで研鑽を積み、技術力はもちろん、忍耐力と細部への徹底したこだわりを磨き上げました。

2013年、さらなる成長を求めてオーストラリアへ渡ったスティーブンは、「仕事と生活のバランスについても少し学びました」と笑顔で振り返ります。「ディナー・バイ・ヘストン」や「ザ・ブリッジ・ルーム」といった名店で経験を積み、コンテンポラリーな料理表現への理解を深めました。その後ヨーロッパへ戻り、ストックホルムの二つ星レストラン「オアセン・クロッグ」にて転機を迎えます。ここで北欧特有の保存技術に触れ、時間が生み出す複雑な旨味と料理を体得したことは、現在の彼の料理を語るうえで欠かせない要素となっています。

「発酵というとクセの強い印象を持たれがちですが、私は控えめで余韻を残すようなた使い方を大切にしています。適切に取り入れることで、料理全体を崩すことなく、複雑さと奥行きを引き出すことができるのです」と語ります。

その後、シンガポールの「サン・ピエール」で料理長を務め、レストランを二つ星へと導くなど評価をさらに高めました。2022年には同地で「ポイズ」を開業し、コンセプトの構築から携わりながら、開業初年度にミシュランの星を獲得するという快挙を成し遂げています。

キャリアを重ねる中でも、彼が大切にしてきた信念は変わりません。「常に前進し続けること。改善の余地は必ずある」と語るスティーブンにとって、卓越を追い求める姿勢こそが料理を進化させる原動力となっています。

その精神は、「SÉZANNE(セザン)」におけるアプローチにも色濃く表れています。大胆にして繊細、軽やかなフランス料理 を提供するコンテンポラリーフレンチレストランというビジョンを守りながら、日本の季節感と食材の背景に深く向き合い、劇的な変化ではなく、確実な進化を積み重ねていきます。洗練されたフランス料理の技法を軸に、日本の四季を表現し、そこに発酵のエッセンスを織り交ぜることで、調和のとれた料理を生み出しています。また、「MAISON MARUNOUCHI(メゾン マルノウチ)」では、洗練と親しみやすさを兼ね備えた季節のビストロ料理を提供し、チームを率いています。

スティーブンにとって料理とは、料理人、生産者、そして季節の巡りが織りなす協働の営みです。日本の食文化を支える職人たちへの深い敬意を胸に、小規模な農家や職人と密接に関わりながら、その想いと向き合い続けています。フォーシーズンズのチームは、彼のリーダーシップのもと、地域との結びつきをより一層深めています。

プライベートでは、ランニングやゴルフなど、自然の中で過ごす時間を大切にしています。「ゴルフはあまり得意ではないので、気づくとランニングになっていることも多いですね」と冗談めかして語るその姿からは、彼の人柄が垣間見えます。目指す先は妥協なく厳格ながらも、穏やかで協調的、そしてどこかユーモアを感じさせるそのリーダーシップが、チームに心地よい緊張感と一体感をもたらしています。